98年9月18日 WBC世界ウエルター級タイトルマッチ(ラスベガス)
オスカー・デラ・ホーヤ 8RTKO フリオ・セサール・チャベス●

<試合前の私の独断コメント>
デラホーヤVSチャベス第2戦、“勝敗”という観点からすると、あまり興味の湧かない対戦かもしれない。現時点での両者の実力には悲しいかな大きな差が生じていると思われるし、それは“キャリア”で埋められる範疇を越えている。チャベスにカットがなければ、今度こそハッキリした決着を見る事になるだろう。
筆者個人的にはJ.C.スーパースター・チャベスに、伸び続けるゴールデンボーイの鼻をへし折ってほしいが...非常に難しそうだ。両者には決定的な“スピード”の差があり、第1戦でもそうだったが、チャベスはデラホーヤの俊敏な動きに着いて行けず地団駄を踏み、ただ標的と化すかもしれない。
チャベスには身体全体でデラホーヤにプレッシャーをかけ、極めて至近距離の接近戦に持ち込んで内側から腹をえぐり、顎を突き上げたい。しかし、しつこい様だがチャベスにとっては難しい試合になる可能性が大だ。
順当なら中盤にゴールデンボーイがメキシコの英雄に引導を渡す事になるだろう。もはや、トリニダード以外にデラホーヤを止めるボクサーはいないのか!

<試合後の考察>
絶頂の若きスターと黄昏の老雄の対決、そして結果は8RTKOで若者が老雄を血だるまにした。結果だけを見ると戦前の予想通りゴールデン・ボーイの圧勝だった。しかし、チャベスも見せ場がなかった訳では無く、むしろ健闘したと言ってもいいのではないか。

試合開始早々からチャベスの動きがいい、かぶせ気味に放つ右がヒットする。デラホーヤのパンチもチャベスを捕らえるが、いつもの小気味良さが感じられない様な気がする。判官贔屓か「今日のチャベスならいけるかも」と思ったりもする。しかし、公平に見て全体的な支配、的確な加撃ではデラホーヤがやや上回るか。
ラウンドが進むにつれデラホーヤは自ら接近戦も挑む。強烈なダメージブローを相手に見舞う為に、相手の得意とする戦法を自らがとる、エゴイスティックなほどの自信か?実力が備わっているところがまた憎い。デラホーヤがとった接近戦は最終的にはチャベスの口内(?)を切り裂き、試合続行を不能(放棄)にし思惑通りになった。加えて試合自体もスリリングにする効果も発揮した。本人は真剣に戦い、どうしてもKOしたい一念で接近戦を挑んだと思うが。

今後のチャベスは、フィリップスに挑戦し有終の美を飾ってから引退するストーリーらしいが、私個人的にはこのデラホーヤ戦を最後にしてほしい。チャベスはもういつ引退しても英雄である事に変わりは無い、最終的には無冠でも彼が偉大だった事は皆忘れないから。

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