「MANUELA」
PARCO劇場
作 :鎌田敏夫
演出:佐藤浩史
音楽:加藤和彦
出演:
天海祐希(マヌエラ=永末妙子)
伊原剛志(和田海軍中尉)
春田純一(陸軍憲兵隊の諜報部員)
高橋理奈(リューバ)
岡田眞澄(パスコラ)
マヌエラは戦前の上海に実在した日本人のダンサーだから、もっと天海のダンスシーンが見られるかと思ったけれど、そうでもなかった。
宝塚時代のショーのイメージがあるから、もっと踊って欲しかったし、反対に宝塚時代の男役とは違う天海を見たいと思っていたのだが。。。
TVで見る天海は、ちょっと大きい女という感じがして、違和感があったけれど、やっぱり舞台でもそうだった。
目を瞑っていると、宝塚の舞台の時の様な台詞の言い方で、”あー天海が舞台に立っているんだ”っと実感した。
陸軍諜報部員の春田純一は、いかにも舞台俳優という感じで、リューバをアヘン窟に連れて行くあたりから最後まで”ワー”っときた。
岡田眞澄はTVイベントの司会で目にするくらいで、ドラマでもめったに見ないし、増してや舞台に立つのは初めて見たけれど、さすがこの道40(50?)年と思わせる。
奇をてらった同性愛者のダンサーという役どころなのに、それだけではなく、その愛憎をユダヤ人としての悲しみがとても良く伝わってきた。
相手役の伊原剛志は堅物の役で面白身の無い、いかにもという役だった。元々は舞台出身らしいけれど、”へーー”という感じで最後に天海と
ラストダンス踊る時「(俺は)踊れない」という一言があるんだけれど、”間”が悪くて、シリアスな場面なのに笑ってしまいそうだった。人に言わせると、
それが彼の役柄と合っているという事らしいが...
因みに2回目に亀有のリリアホールで見た時は、シリアスに聞こえた。
リューバ役の高橋理奈もパルコ劇場では気が入り過ぎているのか、やたら台詞が臭く感じられて、ロシア貴族さが感じられなかった。
全体に亀有の公演の時の方が皆力が抜けていた様な気がする。天海も初めてダンスホールで和田に会うシーンで、
後ずさりして椅子を倒したけれど、亀有ではそんな事もなかった。
リューバは悲劇的に、天海は力強く自分の力で生きる女。
パスコラは人として時代に翻弄され、和田は日本国を背負う軍人、村岡は日本人でありながら上海で中国人の
バイタリティに食われる狂気の人生。
生死を分ける「マヌエラ」という劇は悲しいのである。